満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第10章 ふたりの朝日※《宇髄天元》
1ヶ月半ぶりに会った任務を終えた彼はぼろぼろになっていて、
かと言って大きな怪我はなく、擦り傷程度の身体だった。
それよりも音柱である宇髄の部下たちが大きな怪我をしており、
波奈は蝶屋敷にて忙しく手当てに負われていた。
恋人である宇髄天元と久しぶりの顔合わせに嬉しさに浸る余裕はなく、骨折や深い傷を負う隊士の処置に大慌てだった。
宇髄は最初こそ部下の手当てに黙って大人しく胡座をかきながら待っていたが、いつまで経っても波奈はここには来ない。
だんだんイライラして、
廊下で小走りの波奈を捕まえたのだった。
壁に追いやり、口付けを迫ると、波奈は慌てて宇髄に抵抗し、宇髄のことなど全く介さない様子だった。
「宇髄さん、わたし今忙しいんです。
それにここは蝶屋敷ですし…!」
波奈はスルリと宇髄から逃げる。