満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第1章 おかえりなさい※《煉獄杏寿郎》
煉獄邸。
夏が過ぎて秋が深まりはじめる頃、
夜も更け、皆寝静まり、辺りはリーリーと虫の声だけが聴こえている。
鬼狩りの招集がかかり、杏寿郎がこの家を出てから四日目になる夜のことだった。
招集がかかり家を出てからは不安で心配な毎日を過ごす。
どうか無事でと願わずにはいられない。
嫁いできてまだ間もないわたしは、布団にくるまりながら、不安に押しつぶされそうになり胸がぎゅっと苦しくなるのを、どうにか杏寿郎の太陽のような笑顔を思い出しながら床に就いていた。
いつ帰ってきても出迎えられるようにしたい、と、
杏寿郎が家を留守にしてからは眠りが浅くなっていた。