第2章 どら焼きと中学生
マイキー「ん、よろしく。はい、どら焼き半分こ」
どら焼きを取り出し一つを半分こにして私とドラケンくんに渡してくるマイキーくん。
この子も意外と優しくていい子なのかもしれない…見た目はヤンキーだけど。
『ありがとう』
ドラケン「さんきゅ」
マイキー「オレはこっち!」
私とドラケンくんは半分こ。
マイキーくんはもう一つのどら焼きを丸々一つ食べ始めた。
あ、自分は丸々一つ食べるのね…。
よほど甘いものが好きなんだなぁ、この子。
そんなことを思いながら私もどら焼きを食べる。
するとマイキーくんはグッと私との距離を縮めたかと思えば、私の口端をペロッとひと舐めした。
『!?なっ、なななななっ、なにすんの…!?』
マイキー「ん?名前の口にあんこ付いてたから取った」
『い、言ってくれれば自分で取れるしっ…!』
マイキー「あれ?なんか顔赤いけど?」
私の反応をニヤニヤしながら見てくるマイキーくん。
年下におちょくられてる気しかしない…!
けど、恋愛ドラマや恋愛漫画にあるような出来事に心臓がドキドキしてしまう。
ドラケン「お前それセクハラだろ」
マイキー「何?ケンチンもしたかった?」
ドラケン「なんでそうなるんだよ」
『誰彼構わずそう言うことしちゃダメだよ…マイキーくん』
マイキー「お姉さんにしかしないけど?オレお姉さんのこと好きになっちゃったかも」
『はぁ…!?』
いきなりの言葉に大きな声を出してしまった。
この子学生だよね?でも私は大人だよ?
未成年と成人が混じったらどうなると思う?
児ポで捕まるよ?私犯罪者になるよ…!?
それだけは阻止したい…絶対に……
うん、帰ろう。これ以上は危険だって私の危険信号が鳴ってる。
『えっと、ごめん…私そろそろ帰るね…!』
マイキー「えっ、もう帰んの?なら送っていく」
『い、いや…大丈夫!一人で帰れるから!それじゃあ…!』
私は駆け足でその場を後にした。
後ろから着けられていることも知らずに。