第9章 映画デート
やばっ、死ぬ…!!!
バランスを崩しているせいで着地できるはずもなく、私は怪我をする覚悟で目をぎゅっと瞑り迫り来る衝撃に身を固めた。
……………………………あれ??
死ぬ覚悟をしていたものの、思った衝撃が来ない。
もはや温もりすら感じている。
なんで…?私階段から落ちたんじゃ……
そう思いながらも恐る恐る目を開ければ人の身体が目に入った。
『あれ、私生きてる……』
?「ったく、あぶねぇだろうが…」
その声に私は上を見上げた。
するとそこにはドラケンくんが私の身体を抱きとめながら、困ったような顔をしてこちらを見ていた。
マイキー「ケンチン…!」
『…ドラケンくん!本当に命の恩人です!ありがとう…まじ…』
落ちた私をたまたま居たドラケンくんが抱きとめてくれたおかげで私は落ちなくて済んだらしい。
私はドラケンくんの手を握って感謝を述べる。
本当にドラケンくんいなかったら私はこの世にいなかったかもしれない……生きたとしても絶対大怪我案件だったに違いない…
本当にありがとう…ドラケンくん!!!
ドラケン「まじで気をつけろよ、オマエ」
『はい、気をつけます…』
マイキー「ケンチンなんでここにいんの?」
ドラケン「あー…なんつーか」
ドラケンくんは何故か言いにくそうに、手を首の後ろに当てながら目を泳がせている。
…え?なになに?
マイキーくんを迎えに来たとか?
…いや、それ別に言いにくくなくない?
そう思いながらドラケンくんの次の言葉を待つ。
するとドラケンくんは私に向かって、なにかのチケットを手渡してきた。