第9章 映画デート
〜 翌朝 〜
マイキー「おはよー、名前」
遠い意識の中誰かに呼ばれる声が聞こえて、私は眠りからゆっくりと目覚める。
『ん……』
重たい瞼をゆっくり開けば、目の前にはマイキーくんの顔があった。
マイキー「起きた?」
『…あれ、私いつの間にか寝て……』
昨晩の事を私は思い出す。
イザナくんのせいで眠れなくなってテレビ見ながらのんびりしてたんだっけ…そのままソファーで寝ちゃったんだ私…
私はゆっくりと身体を起こせば、うんと伸びをする。
『おはようマイキーくん。よく眠れた?』
マイキー「寝れたけど…名前居なかったからガッカリだった」
『あー…ごめんね?なかなか寝付けなくて…』
マイキー「平気?目の下クマすごいけど」
『えっ、ウソ…!?』
マイキーくんの言葉に慌てて洗面所に行き鏡の前に立ち顔を見る。
すると、本当に目の下のクマが目立ちショックを受ける。
『まじか…1日でこんなにクマできるの?』
私はショックを受けながら自分の目元を触り肩を落とせば、いきなり後ろから誰かに抱きしめられた。
驚きつつも鏡越しに背後を見ればイザナくんの姿が見えた。
イザナ「おはよう」
『…お、おはよ……』
イザナ「興奮しすぎて眠れなかったの?」
『は!?違うし…!!!』
私は言葉に動揺しながら、イザナくんの手を振りほどく。
そんな私の様子にイザナくんは面白そうに笑っている。
何笑ってんだよ…コイツめ……
こっちはクマ出来てショックすぎなんだよ…!!!
そう思いながら後ろを振り返りイザナくんにガン飛ばせば、唇に人差し指を押し付けられた。
『ん…?な、何…』
イザナ「分かってると思うけど、昨日のこと万次郎には内緒な」
『い、言うわけないでしょ…!』
なんでそんなこと報告しなくちゃならないの…言うわけないじゃん…まったく。
朝からイザナくんのペースに持っていかれてしまい私はため息をついた。
とりあえず顔でも洗おう……
ニヤニヤしているイザナくんは放置して、私は洗顔をした。