第8章 シングルベッド
……とは言ったものの…
『めちゃくちゃ狭い…!!!』
マイキー「そう?気の所為じゃないの」
いや、気の所為なわけあるか。
シングルベッドだぞコレ。
キングサイズとかだったら余裕で眠れそうだけど…
てか寝た気しないよ、これ。
『やっぱり狭いよ…』
マイキー「平気だって…近いから安心する…。なぁ、こっち向いて」
狭すぎて天井を見上げていれば、マイキーくんにこっちを向いてと言われ私はマイキーくんの方を向いた。
すると、マイキーくんは力強く私の体を抱きしめてきた。
『ちょっ…!』
マイキー「このまま寝る…」
マイキーくんは安心したのか、私の体を抱きしめたままスヤスヤと眠ってしまった。
いや、寝るの早い…!
赤ちゃん???赤ちゃんなのかな???
眠ってしまったマイキーくんの髪をそっと撫でてあげて寝顔を見ていれば、いきなり後ろからお腹辺りに手を回されグッと抱き寄せられた。
『っ…イザナくん…?』
私は驚きつつイザナくんの方を振り返る。
すると、少し悲しそうな顔をしているイザナくんがいた。
イザナ「…万次郎ばっか構わないで」
…………へ?
なになになに、甘えん坊???
待って…そうゆうギャップに弱いんだ私は……!
『…イザナくん、可愛いね』
イザナ「うるさい」
何故か悲しそうな表情を見せるイザナくんが気になり、私はマイキーくんの手を退けてイザナくんの方を向いた。
『どうかした…?』
イザナ「…別に」
『すごく寂しそうな顔してたけど』
イザナ「…マイキーばっか構われてんのが気に食わねぇだけ」
嫉妬か…これは嫉妬なのか?
可愛いな…なんなのお前………。
イザナくんの意外な一面に悶え苦しんでいれば、イザナくんは自分から話してきてくれた。
イザナ「オレの上にもう一人兄貴がいるんだけど、結局その兄貴に期待されてんのも可愛がられてんのも万次郎だった……だからマイキーだけいい思いしてんのも幸せになることも、許せない。だからお前らの関係ぶち壊してやろうと思って着いてきた」
イザナくんはどこか苦しそうに話してくれる。
その話を聞いて、マイキーくんと仲良くない理由に私はすぐ納得ができた。