第5章 ペヤング
一虎「トイレ借りていい?」
『トイレ?いいよ?』
一虎「んじゃ借りる。お前ら先帰ってていいから」
場地「おう、じゃあ先帰るワ」
千冬「お邪魔しました」
そう言うと二人は大人しく先に帰っていった。
玄関の扉が閉まれば一虎くんと二人の空間になる。
いや………気まずいし凄く嫌なんだけど……
まぁトイレだけだし少しの我慢だよね……
『トイレそこだからご自由に』
私は一虎くんにトイレの場所を教えれば、リビングに戻りさっきまで飲んでいたコップを片付ける。
パタンとドアの閉まる音が聞こえたからきっと無事にトイレに入ったんだろうと思いながら、使用済みのコップを洗っていく。
今日の夕食何にしようかなぁ…なんて思いながらコップを洗っていれば、いきなり後ろから抱き締められ私はフリーズした。
一虎「何してんの?」
『…いや、アンタが何してんの?』
ついツッコミを入れたくなるようなこの状況。
なんで私は一虎くんに抱きしめられている?
これが世に言うバックハグってやつ……なるほど。
めちゃくちゃ近いね?一虎くん??離れろ???
『あのさ…離れてくれる?』
一虎「なんでそんなに冷たいの?」
『冷たくはないけど…』
一虎「オレのこと嫌い?」
『嫌い…ではない…と思う』
嫌いだよとか言って面倒事にはなりたくないからとりあえず嫌いじゃないよと伝える。
すると、一虎くんは私の肩に顎を置いてきた。
一虎「じゃあ好き?」
『好きってゆうか……ひゃっ…!』
好きかと言う質問に対してなんて言えばいいか分からず悩んでいれば、バックハグのまま一虎くんは私の服の中に手を滑らせてお腹辺りを撫でてきた。