第5章 ペヤング
何言ってるの。はあ???
なんでいるわけないとか断言できるんだコイツは…!
…いや、図星だけど!!!
図星だからこそすごいムカつくよ、うん。
『なんで居ないとか…断言できるわけ?』
一虎「勘」
『殴るよ?』
私のメンタルを勘だけで削らないで本当に。
そんなこんな、千冬くんもペヤングを食べ終わったみたい。
窓の外を見れば辺りも薄暗くなる時間帯に差し掛かっていた。
『もうこんな時間。みんな家帰りな?夜遅く歩いてると補導されるよ』
場地「平気だろ。いつも夜出歩いてるしよ」
『いや、夜で歩いちゃダメでしょ…』
千冬「名前さんは夜出歩かないんスか?」
『んー…コンビニくらいはたまに行くけど、殆ど夜は外歩かないかな』
千冬「まぁ、女子が夜外歩くのは危ないッスからね…あんまり夜は出歩かない方がいいッスよ」
はぁぁ…千冬くん天使すぎんか…?え?
お顔も天使だし中身も天使ってどゆこと???
『千冬くん…優しいね…お姉さんがぎゅーしたげるからおいで』
千冬「…えっ…!?」
冗談で言ったつもりだったが、千冬くんは本気にしたのか顔を真っ赤にして驚いた顔をしている。
えっ…可愛いんだが……なんなの…可愛い、癒しだ。
『冗談だよ、さ、暗くなる前に帰りな』
千冬「冗…談……」
私は立ち上がり三人を玄関まで送る。
なんだか千冬くんが元気ないのは何故だろうか…
はっ…ガチでハグして欲しかったとか?甘えたいお年頃?は?可愛くね?
って、そんなわけないか。
場地くんと千冬くんが靴を履き帰ろうとしている中、何故か一虎くんだけは靴をはこうとしない。
すると一虎くんが口を開いた。