第1章 序章
『私は苗字名前です』
?「名前さん…」
私の名前を聞けば男の子はなんだか嬉しそうに私の名前をボソッと呟いた。
そんなに名前知りたかったのかな?
変わった子だなぁ…。
あ、一応私も彼の名前でも聞いておこうかな。
『君の名前も教えて貰える?』
?「あ、もちろん!俺は花垣武道って言います」
〜 武道side 〜
俺は家に帰る途中変なヤンキーに絡まれた。
こんな見た目だから絡まれるのもわかるけど。
俺が絡まれてる時にたまたま通りかかったこと女の子。
歳は何歳か分からないけど勝手に高校生くらいかと思ってる。
一目見てすごく可愛い人だなって思ったし、謎の包容力があって…何だかこの人に俺は惹かれてしまった。
頭を撫でられた時すごくドキドキしたし、このままお別れなんてしたくなったから名前を尋ねた。
嫌な顔せずに名前を教えてくれるこの子。
名前は名前さんと言うらしい。
名前まで可愛いんだなって思い自然と笑みがこぼれた。
『武道くんって言うんだね。教えてくれてありがとう!また会えたらいいね』
眩しいくらいの笑顔で俺の名前を呼ぶ彼女。
また会えたらいいね。なんて期待させる言葉を告げて、バイバイと彼女は去っていってしまった。
武道「………また会えたら…って!!!連絡先くらい聞いとけばよかったじゃん俺!!!こんな広い地域でまた会えるとか100分の1くらいじゃね!?クッソ、まじか…ショックで立ち直れねぇ…」
この時、これから私がヤンキーくん達と関わることになるなんて…思ってもみなかった。