第5章 ペヤング
『あ…ごめんなさい…よそ見してて…』
相手と目が合うものの、真顔のまま私を見下ろしてくる彼。
見るからにヤンキー…だし?
これヤバい?怒ってる…!?
私はすぐに謝罪の言葉を述べる。
今すぐにでもこの場から離れたいと思い、落とした携帯に手を伸ばせばひょいっと相手に携帯を拾われてしまった。
『えっ…?』
…………拾ってくれた…?
そう思いながら地べたに這いつくばりながら相手の様子を伺う。
携帯を拾ってくれたのかと思ったけど…なんかめちゃくちゃ携帯の画面見てるんだけど…この子……なんなのこの子。
てゆうか、プライバシーって知ってます?
『あの〜…携帯…』
?「…三ツ谷って、三ツ谷隆?」
『……はい?』
いきなり何言ってるのこの子。
なんなの?不思議ちゃんなの…?
私が不審そうに相手を見ていれば、いきなりしゃがみ込んだかと思えば私の顔をじっと見てきた。
?「………………………」
いやいやいやいやいや、待って待って怖いんだけど…!!!
えっ、なんなのほんと…!
人間意味不明な行動されるとこんなに恐怖心に駆られるんだね…。
『えっ…と、何か……?』
私は相手と目が合わせられず目を逸らしながら問いかける。
すると彼は私の手を掴めば、スっと起こしてくれた
『え…?あ、ありがとう…ございます…?』
いや、最初からそうしてくれればこっちだって警戒はしなかったよ?うん
とりあえずお礼は言うけど…携帯返してくれ、本当に。
お礼を言った私に対して、彼は三ツ谷くんへ打ちかけているメール画面を私に見せてきた。