第4章 家庭的な男の子
『ん……』
ゆっくりと眠りから意識を取り戻せば、朝ご飯のいい匂いがした。
この朝起きて朝ご飯の匂いがするなんて…いつぶりだろう…
そう思いながら目を開けば、学校に行く準備をしているルナマナの姿が見えた。
あ、そうだった…私三ツ谷くんの家に泊まったんだった…。
まだ眠たい目を擦りながら身体を起こせば、すぐにルナマナに声をかけられる。
ルナ「あ、お姉さんおはよう!」
マナ「おはよ〜…お姉さん」
『あ、二人ともおはよう』
ルナちゃんは元気に挨拶してくれるがマナちゃんはまだ眠いのか寝ぼけ眼でふにゃっと笑ってくれる。
朝から天使を拝んでます、私。
そんな私達の様子に三ツ谷くんも台所から挨拶をしてくれる。
三ツ谷「おはよ、名前」
『あ、おはよう三ツ谷くん』
もう既にテーブルには美味しそうな朝ご飯が並んでいる。
まじで…主婦並みの力……私も見習わないと…
って、ん?待てよ…?
私今日いつもより早い出勤だったような…
寝ぼけたまま呑気に携帯のスケジュールを見れば、出勤時間が早い事に気付いた。
『えっ、マジ…!?』
三ツ谷「ん?どうした?冷めないうちに朝飯食っていけよ」
『あのっ、ほんっとにごめん!今日いつもより早い出勤だった…!』
慌てて部屋の影で昨日着てた服に着替えれば、すぐに時計を確認する。
今からダッシュすれば間に合う…!
三ツ谷「なんで昨日の内に確認しとかなかったんだよ…お前」
『抜けてた!ほんと慌ただしてごめんね!昨日は楽しかった!ルナちゃんマナちゃんまた遊ぼうね!』
手ぐしで髪を整えながらルナマナに挨拶をすれば、状況を理解してるのか無駄な言葉は無しに二人は手を振ってくれた。
私は慌てたまま三ツ谷家を出ようとすれば三ツ谷くんに呼び止められる。