第22章 トラウマ
えっ、なんか玄関のドア蹴られた音が聞こえたような…
いやいや…気のせい…だよね?
落ち込んだ気持ちから一変し、家の外が気になり私は玄関の方をそっと見た。
すると、再び玄関を蹴る音が聞こえ肩を震わせた。
『や、やっぱり蹴ってる…!?』
外は暗いし、この時間に誰か来たとしてもインターフォン鳴らすだろうし…なんて思いながら、あまりの恐怖に私はその場から動けなくなってしまった。
今日はとことん嫌な事がある日なのかもしれない…
何も無く去ってくださいお願いします…なんて、藁にもすがる様な思いで手を合わせそのまま擦り合わせる。
すると、蹴る音と共に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
?「さっさと開けろブス」
『………この声…』
私は聞き覚えのある声に少しだけ警戒心を薄めて、玄関の扉の前までなんとか歩いて近付けば耳を澄ましつつ声を掛けてみる。
『その声…春ちゃん…?』
?「分かってんならさっさと開けろ」
その返事に、春千夜だとすぐに確信した。
私は玄関の鍵を開ければそっと玄関の扉を開ければ、ドアの隙間から手が入ってきたかと思えば勢いよく玄関の扉を開けられた。
『うわっ…!』
三途「おせぇ」
『え?あ、ごめん…』
開かれた玄関から春ちゃんの顔が見えれば少し安心感を抱いた。
って、私はなんで謝ってるんだ…!
私1ミリも悪くないのに…!
そんなことを考えてる暇もなく、春ちゃんはグイグイ家に入ってくれば何も言わずに靴を脱いでリビングへと歩いていってしまった。
『え?ちょっと…!?春ちゃん!?』