第22章 トラウマ
あれから真一郎と別れて自宅へと戻ってきた。
家の鍵を開けて部屋の中に入る。
流石に蘭ちゃんは来てないか…。
早く合鍵を回収しないと…
そう思いながら靴を脱いで部屋の中に入りリビングへと進む。
さっきまで楽しかったせいか…一人になった瞬間すごく虚しい気持ちに襲われる。
『はぁ…なんか気分が乗らない…お風呂に入ってさっぱりしてこよっと…』
私は荷物を下ろせばすぐお風呂へと直行した。
〜 数十分後 〜
『はぁ…今日は嫌なことあったし、ビールでも飲もうかなぁ』
私はお風呂から上がれば冷蔵庫を開けた。
すると、そこには蘭ちゃんが置いていったであろう小さい箱が入っていた。
『これ…なんだろ?』
私はビールを片手に、ケーキの箱のようなもの手にリビングに戻った。
蘭ちゃん何を置いていったんだろう…と思いながら、箱を開けばそこには大きめのモンブランケーキが入っていた。
『モンブラン…』
もしかして私がケーキ食べたって怒ってたから買ってきてくれた…?
しかも蘭ちゃんが食べたいって言ってたモンブランケーキ…
えっ、何…めちゃくちゃいい子じゃん???はい?
蘭ちゃんのさり気ない気遣いに泣きそうになるもグッと涙を堪えてビールの缶を開ければグイッと一口飲んだ。
後で蘭ちゃんにお礼を言わなくちゃ…
そう思いながら、私は美味しそうなモンブランを食べながら何気なくテレビをぼーっとみていれば、今日あった出来事がフラッシュバックしてしまい体を丸めた。
『仕事…行きたくないな……』
あの男の顔を思い出すだけで恐怖と不安を覚える。
また声かけられたらどうしよう…なんて思っていれば、いきなり玄関のドアを蹴るような音が聞こえた。