第22章 トラウマ
『わざわざ送ってくれてありがとう』
真一郎「こっちこそ遅くまで悪かったな」
『全然平気。どうせ一人だし』
あれから無事に自宅アパートまで送ってもらった。
自分の家の窓を見れば明かりは付いておらず、部屋には誰もいないことがわかる。
真一郎「名前って一人暮らしなのか」
『うん。一人暮らし結構長いんだよね』
真一郎「へぇ…」
真一郎は、興味津々な様子でアパートを見ている。
…そんなに珍しいのか…?
は…もしや、こんな安っぽいアパートに住んでるんだ…とか、思ってる???
『あの…そんなに見られると恥ずかしいとゆうか…』
真一郎「ん?あぁ、悪い…つい。名前がどんな家に住んでるのか気になって」
『別に普通のアパートだよ?』
真一郎「……今度遊びに来てもいいか?」
『え?あ、うん。いつでもどうぞ?』
そんなに興味ある!?
まぁ…確かに私も真一郎がどうゆう家に住んでるかちょっと気にはなるけど……
そんなことを考えていれば、真一郎は私の肩にポンと手を添えた。
真一郎「楽しみにしてる。もう外も暗いし、早く家入れよ」
『あ、うん…ありがとう。真一郎も気を付けて帰ってね?』
真一郎「ん。わかった」
優しい笑みを浮かべる真一郎を見ると心がほっとする。
少し名残惜しいも、私は真一郎に背を向けて自宅アパートに帰ろうとすればいきなり後ろからガバッと強めに抱きしめられた。
『えっ…!?ちょっ…』
真一郎「あー…連れて帰りたい」
『…え?いきなり何を…』
真一郎「なんか名残惜しそうな顔してたから」
そんなに顔に出てた…!?
ポーカーフェイスって知ってる?
顔に出すぎも嫌だな…治そう…。
『…なんかごめん』
真一郎「可愛い」
『なっ、か、可愛くなんか…!』
真一郎「今度オレの家遊び来いよ、な?」
耳元で囁くような声で誘ってくる真一郎にまたもやときめいてしまう。
この人…素で誘ってるのか?
それとも狙ってるのか?
イケメンとは罪ですね…。
私は断れず首を縦に振った。