第22章 トラウマ
千冬「…取られちゃったっスね」
場地「別に。荷物が減って良かったワ」
そう言いながら帰る方向に歩き出す場地。
それにつられて、千冬も場地の後を着いていく。
千冬「(場地さん…ショック受けてる)」
内心そんなことを思いながら、二人は自宅へと帰って行った。
〜 バイク屋店内 〜
真一郎「少し狭いが適当に座ってくれ」
『は、はぁ……』
バイク店に入れば空いてる椅子に腰をかける。
そんな私はあることに気付いた。
手に持っている紙袋二つ。
二つ?二つ……二つ!?
手に持った袋を見て私は顔を青ざめた。
待って。ドラケンくんと場地くんに返すんじゃん!?
さっき場地くん居たけど!?
私はどこまでアホなんだろう。
まぁ、色々ありすぎて忘れてた部分もあったけど…それにしてもだよ……もう帰っちゃったよね…。
真一郎さんの誘いをハッキリと断れば良かったのに…
押しに弱いってこうゆう事なのか…?
俯きながらそんなことを考えていれば、真一郎さんは私の頬に冷えた缶ジュースを押し付けてきた。
『冷たっ…!』
真一郎「最近暑いからちょうどいいだろ?」
『まぁ…』
缶ジュースを受け取れば、真一郎さんは私の顔を覗き込んできた。
真一郎「なんだよ、さっきから暗い顔して」
『え?別に暗い顔なんて…!』
真一郎「暗い顔してる。何かあったか?」
真一郎さんは私の向かい側の椅子に座れば、話を聞いてくれる体勢になる。
『……実は…色々あって…。まぁもう解決したんですけど…疲れちゃっただけみたいです』
苦笑いのままそう伝えれば、真一郎さんは何かを察したのか黙ったまま微笑んだ。
真一郎「そっか。深くは聞かねぇけど、何か困り事があればいつでも頼ってきていいからな」
そう言って真一郎さんは私の頭を優しく撫でてくれた。
……神なのか?