第22章 トラウマ
あれから場地くんにおぶってもらい、荷物は千冬が持ってくれている。
はぁ、なんか申し訳ないなぁ…
助けてもらった上に家まで送ってもらうなんて…って、帰る前にバイク屋さんに行こうと思ってたんだ…でも寄ってもらうのも悪いし…どうしよう…
一人で色々考えて百面相をしていれば、千冬が首を傾げながらこちらを見てきた。
千冬「さっきから険しい顔してるけど」
『え?あ、いや…別に…?てゆうか、ほんっとに二人には迷惑かけちゃって…ごめんね?』
千冬「気にすんなって」
場地「迷惑なんて思ってたらここまでしねぇし、やっぱ全然軽いワ」
場地くんの軽いとゆう言葉に少女漫画を読んだ時のような胸きゅんを覚える。
この私が?軽い…だと?
若干言葉を疑うも、場地くんの逞しい背中を見れば力があるんだなぁ…なんて思いつつ落ちないようにぎゅっと抱きつく。
場地「おい、あんまくっつくな」
なんで…!?ダメだった?え?
場地くんの言葉に困惑するも、もしかして胸か…なんて悟れば謎の納得感。
『あー…ごめんね?』
私はなるべく胸付近押し付けないように気を付けつつ黙っておぶられる。
その様子に千冬はじーっと私の方を見てくる。
なんだろう、その目線は…
謎の圧が感じられるんだけど…
千冬は何を思ってるんだろう…なんて考えながらもあまり触れないようにし、周りの景色を見ていれば視界にバイク屋さんが見えた。
あれは…!真一郎さんが経営しているバイク屋!
場地くんナイスすぎる…!!!
『あの、場地くん?』
場地「あ?なんだよ」
『ごめんなんだけど…そこのバイク屋さんに寄ってもらってもいいかな?ちょっと用事が…』
場地「おう、別にいいけど…」
『場地くん…ありがとう!』
千冬「名前ってバイク興味あったのか?」
『いや、そうゆうわけじゃないんだけど…ね?』
場地くんは少し歩けば、バイク屋さんの前で止まり私をそっと下ろしてくれた。
立てるか不安だったものの、既に抜けた腰は元通りになっていたため私はバイク屋さんに足を踏み入れた。