第21章 打たれ弱い子
『いっ...!』
蘭『誰が弟だって?』
『...っ...いや、ほら...それは...なんて言ったらいいのか分からないし…』
蘭「彼氏でいいじゃん」
『会社に遅刻してるのに、彼氏と一緒ですなんて言えないでしょ...!?』
何故だろう...
弟って言われるの嫌い症候群なのか?
そうゆう年頃なのか…そんなことある?
不貞腐れてる蘭ちゃんから離れて準備をしようとするも、何故か背後からがっちり抱きしめられていて身動きが取れない。
『......あのー、蘭ちゃん?準備したいんだけど...』
蘭「準備すれば?」
『...いや、離れてくれないと準備できないけど...』
蘭「んー...」
曖昧な返事をしながら、蘭ちゃんは私の耳に舌を這わせてきた。
『ひゃっ......』
蘭「ふーん...耳弱いんだ」
『ちがっ、いきなりそうゆうことするから...!』
蘭「これから名前の弱いところ、沢山教えろよ」
『は...!?何言ってんの.....てゆうか首が痛いんだけど…!いきなり噛み付くってどうゆうことなの...?犬じゃないんだから..』
そう言いながら鏡で自分の首元を見れば、薄らと赤くなって少しだけ血が滲んでいた。
『.........アンタは動物かっ!!!』
蘭「お前が悪い」
それだけ告げれば、蘭ちゃんは竜胆の方へと行ってしまった。
...いやなんで私が悪いの!
どっちかと言えば被害者なんだけど...!
蘭ちゃんの不思議で読めない行動に、私が悪いのか?なんて心の隅で思うものの、今はとりあえず会社に行かないといけないと思い、首に絆創膏を貼ってすぐに家を出ることにした。