第21章 打たれ弱い子
〜 朝 〜
『んん……』
ぐっすり眠っていたものの、いつもとは違う寝苦しさに私はゆっくりと目を覚ました。
寝ぼけ眼で目を開けば、目の前には綺麗な寝顔の蘭ちゃんが寝ていた。
…そういえば昨日あのまま寝ちゃったんだっけ…
蘭ちゃんは私に抱きついたままスヤスヤと眠っている。
寝顔まで綺麗なのか…世の中不公平だなぁ…なんて思いながら蘭ちゃんの顔を見ていれば、私の背中でモゾモゾと動く人物がいた。
『......竜胆...?』
背中の違和感と圧迫感に後ろを振り向けば、そこには私の背中に張り付いて寝ている竜胆の姿があった。
...あれ?竜胆って一緒に寝たっけ...
蘭ちゃんとは寝た記憶あるんだけど...
竜胆も意外と甘えん坊さんなのか...?
それだったらかわいい...もしかして蘭ちゃんといつもハグして寝てるのか?
だとしたら兄弟仲良しでかわいいかよ......!
イケメンに挟まれて寝てる私...朝から贅沢すぎる。
これは全人類の女子に刺される案件だ...
そんなアホなことを考えつつ、ふと時計に目をやればまだ少し時間に余裕があった。
まだ時間あるし、朝ごはんでも作ろうかな...
そう思い起き上がろうとするも、灰谷兄弟にがっちりとホールドされていて起き上がろうにも起き上がることが出来ずに再び寝転がる。
『......起きれん...』
力強すぎない???
寝てるよね?寝てるのにこの力の強さって...どゆこと???
どうしようかな...なんて思いながらぼーっと天井を見上げていれば、ふわふわした人肌の温かさに再び睡魔が訪れ、つい自然と私は眠りに入ってしまった。