第21章 打たれ弱い子
寝室に来ればベッドに荒々しく放り投げるかのように押し飛ばされ布団目掛けてダイブした。
『ちょっ…わっ!』
いきなりの手荒さに何か文句一つ言ってやろうかと思えば、すぐ同じベッドに蘭ちゃんが入ってきた。
『えっ、なに…!?』
蘭「何慌ててんの」
『いや、慌ててるとかそうゆう訳じゃっ…』
蘭「何もしねぇよ。お前みたいな色気のねぇ奴」
そういって蘭ちゃんは私との間を詰め、ぎゅっと抱き私の首元に顔を埋めてきた。
『ちょ…くすぐったい』
蘭「…お前はオレより竜胆なんだな」
『……………へ?』
いきなりの言葉に私はつい間抜けな声を出す。
なんでそうなった…?
その話はどこから?
…いや、私何も言ってないけど…!?
蘭ちゃんは私の首元に顔を埋めながら黙り込んでしまった。
…えっ、どうした?
情緒不安定???
何か嫌なことでもあったのか蘭ちゃん…!!!
…大人しい蘭ちゃん珍しすぎるしなんかめちゃくちゃ母性本能くすぐるんですけど…
不覚にも蘭ちゃん可愛い…なんて思ってしまった。
『…蘭ちゃん?』
私は蘭ちゃんの髪を優しく撫でながら様子を伺う。
暫く蘭ちゃんの髪を撫でていれば、耳元ですやすやと寝息が聞こえた。
……寝た?寝たの!?
自由人過ぎない???ねぇ???
カクっと寝落ちしてしまった蘭ちゃんの髪を撫でつつそんなことを思うものの、たまには甘えたかったのかな…なんて考えながら髪を撫で続ける。
回らない頭で色々考えているも、蘭ちゃんの眠気が移るかのように睡魔が襲って私も同じようにそのままゆっくりも寝落ちてしまった。