第21章 打たれ弱い子
可愛いなんて言ったら絶対に嫌がるタイプだろうなぁ…なんて思い私は自分の思いをぐっと飲み込んだ。
ふと竜胆から目を離し時計を見ればもう20時を回る時間になっていた。
『あ、もうこんな時間…私明日仕事なんだ』
竜胆「オレのことは気にしなくていいから」
…気にしなくていいからって…この子帰る気ない?
泊まって行く気なのか…?
まぁ帰る気は無いらしいから私は明日の準備とかしちゃおうかな。
『じゃあ…何かあったら言ってね?私先にお風呂入ってくるから』
竜胆「おう」
竜胆はソファーに座りながらぼーっとテレビを見ながらリモコンでチャンネルを変えたりしている。
何で私の家はこんなに人が群がるようになってしまったんだ……
そう思いつつ、竜胆を放置し私はお風呂に入ることにした。
『今日の洗濯を回してから干して…明日場地くんとドラケンくんに返す服を紙袋に入れて…』
ブツブツと独り言を言いながら脱衣場で服を脱ぎ、脱いだ物を洗濯機にぶち込めばそのまま洗濯機を回す。
身体や髪を先に洗い、その後ゆっくりと湯船に浸かる。
『はぁ〜……今日も疲れた』
最近疲れることが増えた気がする。
そして一人の時間も減った気がする。
そもそも蘭ちゃんどこ行ったんだろう…
てゆうか竜胆は蘭ちゃん探しに行かないんかい。
めちゃくちゃ放置するじゃん…いいのか?
いや、私が探しに行けばよかったのか?
ケーキ如きで怒りすぎたか…
……って、なんでよ!
私悪くないのに何この罪悪感…!
………蘭ちゃんモンブラン好きって言ってたな…
今度買ってきてあげようかな……
お風呂に入りながら謎の罪悪感に胸を痛め、ついため息を吐いた。