第21章 打たれ弱い子
『竜ちゃん…!』
竜胆「なんか騒がしいけど」
竜ちゃんは何してるんだと言わんばかりに首を傾げてこちらを見ている。
蘭「別に何も騒がしくねぇよ」
竜胆「兄ちゃんまた何か…」
また…とは???
他所でもやってるのかこの子は…
モテる人間は違いますな…
なんて無駄の関心をしていれば、蘭ちゃんは私のすぐ横を通り過ぎてキッチンから出ていったかと思えばそのまま竜ちゃんを置いて家を出て行ってしまった。
『え?…蘭ちゃん?』
…………………………えっ?
もしかして…怒らせた…?
いや、それは無いと思うけど…
竜胆「…兄貴に何かされた?」
『…えっ!?あ、いや…別に…何も…』
竜胆「ならいいけど」
『あの…私何か蘭ちゃんの気に障ること…』
竜胆「別に気にしなくていいから。兄ちゃんいつもあんな感じだし…気分屋ってゆうか自由人ってゆうか」
『…竜ちゃんも大変なんだね……。あ、これせっかく入れたし…一緒に飲まない?』
先程注いだ飲み物を指差しながら竜ちゃんに話しかければ、竜ちゃんは首を縦に振った。
〜 リビング 〜
『この時間何かやってるかなぁ…』
私はテレビのチャンネルを回しながらぼーっとテレビを見る。
『竜ちゃんは何かみたいのある?好きな番組とか…』
竜胆「…竜胆」
『…え?』
テレビに目を向けていたが、竜ちゃんがいきなり自分の名前を呟き私は不思議に思い竜ちゃんの方を向いた。
竜胆「…竜胆って呼んで」
『…急にどうした?』
竜胆「…別に」
『ちゃん付け嫌だった?』
竜胆「別になんでもいいけど…お前には名前で呼んで欲しい」
…デレ期…!!!
いや、比較的竜ちゃんはそんなに私に対して突っかかって来ないけど…やっぱりデレは嬉しいものだね…竜ちゃん可愛い…
『えと、じゃあ…これからは竜胆って呼ぶね?』
竜胆「…おう」
竜胆と呼び慣れない感じで呼ぶも、竜胆は嬉しそうな…少し恥ずかしそうに目を逸らしてしまった。
ばか可愛いね、君…