第21章 打たれ弱い子
蘭「そんなにショックだった?」
『…そんなの当たり前じゃん!楽しみに取っておいたのに…』
蘭「オレ的にはモンブランの方が良かったけど」
『なら食うな!私のイチゴタルト!』
蘭「子供か」
『はぁ…ショック……せっかくイザナくんからの差し入れだったのに…』
その言葉に蘭ちゃんは一瞬目を細めたかと思えば、いきなり私の顎をガシッと掴みクイッと上にあげては蘭ちゃんと目が合う。
蘭「そんなにショック?」
『…えっ?』
待って、めちゃくちゃ顔近いんですけど?
これを俗に言う顎クイってやつですか…!
でもなんだろう…恋愛漫画にあるようなキュンがないんだが?
なんか…威圧的というか、怖いんだけど…!
蘭「詫びればいい?」
『詫びるって…何をっ………!!!』
話が終わる前に、顎を掴まれたまま顔を近付けられたかと思えば自分の唇に蘭ちゃんの唇が押し付けられた。
私は目を見開き酷く驚き、慌てて蘭ちゃんの身体を押した。
すると、少ししてからすぐに蘭ちゃんは私から離れた。
蘭「詫びた。これでいいだろ?」
『〜〜〜!全然詫びてない…!!そうやって見た目の良さでなんでも許されると思うな…!』
タルトを食べられたショックと、蘭ちゃんがキスしてきた事に頭がこんがらがりついキツイ言葉になってしまいハッと我に返る。
蘭ちゃん怒ったかな…なんて思いチラッと蘭ちゃんの顔を見れば何故かキョトンとしていた。
『………蘭ちゃん…?』
蘭「そんなに怒んなくても。タルトより私を食べてってことだろ?」
…うん、心配するだけ無駄だったみたい。
どこをどうしたらそうゆう解釈になるのかな蘭ちゃん。
『私の話聞いてた?』
蘭「そんな怒らなくたって言ってくれれば食うけど」
『私食い物じゃないんだけど?てゆうかなんでそうゆう発想に至るのかほんとにわかんない…!え、日本語わかってる?』
蘭「この間の続きシような」
『無理です…!そもそも誰もそんな発言してないし…蘭ちゃんが勝手に…!』
そんな騒動がリビングに聞こえたのか竜ちゃんが心配してキッチンまで足を運んでくれた。
竜胆「なにしてんの?」