第20章 合鍵事件
あれからラーメンを頼み食べながら他愛のない話をしていた矢先、竜ちゃんが蘭ちゃんを見ながら問いかけた。
竜胆「兄ちゃん何でコイツのとこいんの?」
蘭「ん?別に深い理由はねぇけど」
竜胆「兄ちゃんが自分から出向くのすげぇ珍しい」
『えっ、そんなに?』
竜胆「兄ちゃん追われる方が多いから」
『へぇ〜…』
確かに蘭ちゃんは顔もいいしスタイルもいいし背も高いからそりゃ女の子はほっとかないよね…
なんて思いながらラーメンを啜った。
蘭「お前はもっと興味を持てよ」
『いや…蘭ちゃん美人さんだから女の子に追われるのは分かるよ。この前も女の子と揉めてたし?いいよね…イケメンは。何もせずとも女の子が寄ってくるんだもの…私なんて自ら動いたとて誰も寄ってこないし…あれ、なんかめちゃくちゃ悲しくなってきた』
蘭「寂しい奴なんだな、お前」
『うるさい。てゆうか竜ちゃん聞いてくれる?蘭ちゃんさ、この前私の家の合鍵盗んでいってさ…出入り自由状態なんだけど、竜ちゃんからも鍵返せって言ってやってくれる?』
竜胆「…帰り道ニヤニヤしてると思ったら…それだったんだ、兄ちゃん」
蘭「オレの第二の我が家にしようと思ってさ。揉めた女家まで来られんのも面倒だし?名前の家なら誰も来ないから」
『あのさ、人の家を面倒事の捌け口にしないでもらってもいい?てか勝手に第二の我が家にしないでまじで』
蘭「何嫉妬してんの」
『……はい???』
あれ、私誰と会話してるんだっけ?
嫉妬してる発言ある?
てゆうか…何に対しての嫉妬だよ。
竜ちゃん助けてくれ…頼むまじ。
心の中で竜ちゃんに助けるものの、竜ちゃんは慣れているのか蘭ちゃんを気に止めることも無くラーメンを啜っている。
……この時だと思ってなんか蘭ちゃんのこと私に押し付けてない???
気のせいだよね、気のせい気のせい。
そんなやり取りの中、私たちはラーメンを完食した。