第20章 合鍵事件
『あれ、竜ちゃん…』
蘭「あ、竜胆こっち」
私の言葉に竜ちゃんの存在に気付いた蘭ちゃんは、竜ちゃんに向かって手招きをしながらこちらへと呼んだ。
竜胆「兄ちゃんいねぇと思ったら…コイツんとこに居たんだ」
蘭「なに?竜胆も名前んとこ来たかった?」
竜胆「別に…」
蘭ちゃんと会話しながら軽いため息を漏らす竜ちゃん。
そして竜ちゃんはそのまま私たちの目の前に座った。
『…竜ちゃんよくここに蘭ちゃん居るの分かったね?』
竜胆「いや、さっき兄貴から連絡貰ったから」
『連絡…?』
竜ちゃんを見た後に蘭ちゃんの顔を見れば、再びニヤついてる蘭ちゃん。
さっき連絡とってたのは女の子じゃなくて竜ちゃんだったんだ……
そう思いながら納得していれば、蘭ちゃんは私の頭に手を置いて顔を見てくる。
蘭「連絡の相手、竜胆で良かったな」
『……は?』
蘭「竜胆、コイツさっきオレが女と連絡してると思って嫉妬してたんだよ」
……うん、何を言ってるのかねキミは。
いつ誰が嫉妬したって???は???
『寝言は寝て言ってね蘭ちゃん』
蘭「嫉妬したなら嫉妬したって言えばまだ可愛いのにな」
『だから、嫉妬してないって…!』
蘭ちゃんは私の話など聞かずに、ラーメンのメニューを竜ちゃんに手渡した。
蘭「今日は名前の奢りだから竜胆も頼めよ」
……おまっ、人の奢りだからって……!
まぁ竜ちゃんだから全然奢るけどね、うん。
蘭ちゃんに奢る理由はちょっと分からないけどね、本当に。
てゆうか人の話を聞け。