第20章 合鍵事件
蘭「…不法侵入って言うけどさ、他所から見たら名前は未成年を家に連れ込んでるやばい女って事になるけど?オレが無理矢理家に連れ込まれたって言ったら…名前はお縄だよなぁ」
『…………ぐっ…』
未成年という立場を利用し私を脅してくるこの男。
なんてタチが悪いんだろう。腹立つな。
勝ち誇ったような顔でこちらを見てくる蘭ちゃんに私は何も言い返せなくなる。
悔しい思いに浸りながら顔を顰めていれば、蘭ちゃんはいきなり立ち上がり私の腕を掴めばそのまま立たされる。
『ちょ、なに…?』
蘭「なんかラーメン食いたい気分だから食いに行く」
『…は?いきなり?』
蘭「ここ来る前美味そうなラーメン屋あったからそこ行こうぜ、名前の奢りで」
『なんで!?』
蘭「ほら、早くしろ」
家に不法侵入された挙句ラーメンを奢らされるってどうゆうこと…!?
そう思う間もなく、蘭ちゃんは私の腕を掴んだまま家を出ればラーメン屋へと向かう。
『あのさ…、私あんまり蘭ちゃんと歩きたくないんだけど…』
蘭「なんで?」
『いや…また女の子に殴られそうってゆうか…』
この前も何故か関係ない私が巻き込まれて平手打ちくらってるし…!
またそんな目にあったらもう私は耐えきれないよ…!
そう思いながら視線を下に向けていれば、いきなり蘭ちゃんは私の手に指を絡めそのまま恋人繋ぎをしてきた。
『…ちょっ、なに…?』
蘭「別に。手繋いだだけだけど?もしかして名前って男慣れしてねぇのか…へぇ」
『なっ…!別にそんなことないけど!?年上揶揄うのもいい加減にしなよね…そもそも蘭ちゃんが女と遊びすぎなだけでしょ…彼女一筋にしてあげなよね…可哀想に』
蘭「オレを満足させられる女が居ないから」
…やべぇこいつ…。
そんな事を思いながら、何となく手を繋いだままラーメン屋へと到着した。