第20章 合鍵事件
蘭「ん?改まってどうした?」
『…いや、どうしたって…こっちのセリフなんですけど?なんで家に居るの?』
蘭「は?暇だから」
『だから、そうじゃなくて!なんで家に入れたのって聞いてるの…!』
私の言葉に対してキョトンとしたような表情を浮かべる蘭ちゃん。
すると、自分のポケットに手を突っ込んだかと思えば金属音と共にポケットから鍵を取り出して私にゆらゆらと見せびらかしてきた。
蘭「これで入ったけど?」
『……………それはどこの鍵?』
蘭「どこって…名前の家の鍵に決まってるじゃん♡」
『……………………』
なんで蘭ちゃんが私の家の鍵を持ってるんだ…?
えっ…渡してないよね…?
蘭ちゃんが持っている鍵に頭をフル回転させる。
すると蘭ちゃんはニコニコしながら再び鍵をポケットへとしまった。
『ちょっと!?なんでしまったの!?』
蘭「なんでって、オレのだし?」
『違うでしょ?ねぇ、それ私のだよね?てゆうか、どこから持ち出した!?』
蘭「玄関の鍵かかってるとこから取った」
……玄関…はっ!もしや引っ掛けておいた合鍵!?
いつ取った…えっ、全然気づかなかった……
蘭「これでいつでも出入り出来るなー」
『いやダメだからね!?返して、鍵!』
蘭「無理」
『こっちが無理だから!不法侵入だよ?ねぇ、分かってる?』
蘭「鍵持ってる時点で不法侵入じゃねぇし」
『盗んだ鍵だよね?どっちにしろダメだよね?』
蘭「……今日何食うかなぁ」
『話を聞け!?!?!?』