第20章 合鍵事件
リビングまで来れば周りを見渡した。
電気はついているものの人の影はない。
…私の気のせい…?
そう思って少しホッとした間もなく、ソファーにふと目をやればそこにはスヤスヤと眠っている蘭ちゃんの姿があった。
『………なんかいる』
なんで蘭ちゃんが?うちに?
てか…なんでこの子部屋に入れたの…?
やっぱり私が鍵を閉め忘れたせいかな?
今日は…三つ編みしてないんだ…
いつもなら三つ編みをしている髪がストレートに下ろしてあり何だか物珍しさで見てしまう。
でも…本当に泥棒じゃなくて良かった…
そう思いながら床に荷物を置きソファーの前に座った。
そして何となく蘭ちゃんの顔を眺める。
『……綺麗な顔』
色々難ありだけど顔は綺麗すぎる…
これじゃ女もほっとかないわ…うん。
じっと顔を見ていれば、いきなり不意打ちに手を引かれぐっと引っ張られたかと思えば、目の前に至近距離で蘭ちゃんの顔が近づいた。
蘭「…人の顔見すぎ」
『……えっ、お、きてたの?』
蘭「まぁ、さっき起きた」
『そ、そうなんだ………その、近過ぎない?』
蘭「ドキドキした?」
『いや…べ、別に…』
蘭「その割りさっきから目が合わないけど」
『そ、それは顔が近いからで……ってゆうか…!なんで居るの…!?』
蘭ちゃんから無理やり離れれば、なんで家にいるのか問い質す。
蘭「何でって…実質オレん家だから?」
……この子は何を言っているのか。
オレん家とは?どうゆうことなの?ん???
理解しようと無い頭を回転させるものの全然理解ができず、色々考えている間蘭ちゃんは起き上がり軽く欠伸をした。
蘭「ふぁ……腹減った。名前なんか作って♡」
『それはいいんだけど、ちょっと話そうか』
私は蘭ちゃんが部屋にいることや、鍵が空いていたことに対して謎が多すぎて蘭ちゃんと向き合えば話し合いをする体制になった。