第19章 甘えること
三ツ谷「……オレのこと、弟みてぇだって思ってる?」
『………え?』
予想外の言葉に私はポカンとしてしまう。
もしかして…私が弟みたいな感じって言ったから機嫌が良くなかったのか…?
子供扱いされたと思って怒っちゃったのか!?
…いや、そんなに嫌だったの?
『えっと…三ツ谷くんが夕食の時不機嫌だったのって…それが原因…?』
三ツ谷「…別に」
図星か…!!!鏡越しだけどめちゃくちゃ目逸らしてるし!
そんなに弟嫌だったのか…そうかそうか…
可愛いぞ三ツ谷…弟にしたいくらいには。
『ほら、年下だし…弟みたいって自然と思っちゃうってゆうか…別に深い意味はないんだけど…』
その言葉に、三ツ谷くんはいきなり後ろから私の顎を掴んだかと思えばそのまま横を向かされ目の前に三ツ谷くんの顔が至近距離で現れた。
三ツ谷「オレ年下でも…男だよ?」
『……えっ……あ……』
いきなり雄を露わにする三ツ谷くんの表情に、不覚にもドキッとしてしまった。
年下だけどイケメン過ぎるから本当にずるいよね……
そう思っていれば、直に三ツ谷くんの顔が見れなくて自然と視線を逸らす。
三ツ谷「年下だからって甘く見てると、その内痛い目に遭うかもな」
そう言って三ツ谷くんは私の顎から手を離して再び鏡の方に向かせてくれた。
そっと鏡を見ればすぐに三ツ谷くんと目が合う。
『ご、ごめんね…?』
三ツ谷「分かればいいけどさ。…風邪引くから髪乾かさないとな」
あんまり弟扱いはしない方がいいなぁ…なんて思いながら三ツ谷くんに謝罪をすれば、三ツ谷くんは気に留めることもなくドライヤーを取り出せば私の髪を乾かし始めた。
…えっ、ただのイケメンか?