第19章 甘えること
…?なんかシャッター音がしたような…?
そう思いながらドラケンくんを見れば、何故か知らん顔をしている。
『……なんか撮った?』
ドラケン「……いや、別に」
別にって……怪しすぎるわ…!
でも撮るものもないし別に怪しくもないか…?
そう思いドラケンくんを追求することはなく再び料理を進める。
すると背後に誰か来た気がしたかと思えばいきなりポンッと頭に手を置かれた。
『えっ?』
いきなり頭に手を置かれ何事かと思い振り返れば、そこにはドラケンくんが立っていた。
『……どうしたの?』
ドラケン「………」
………いや、え?なになになになに…!?
無言怖いよ…!?
私何か気に触ることした?
いやいや、何もしてないよ…ね?
そんな事を考えていれば、ふわぽわにするはずだった卵に火が入りすぎてしまい私は慌てて火を止めた。
すると、その瞬間にドラケンくんがボソッと呟いた。
ドラケン「……抱きしめてもいいか?」
『……えっ!?』
ドラケンくんの意外すぎる言葉に驚きと動揺が止まらず、気を抜いた瞬間熱いフライパンに手が軽く触れてしまった。
『あっづ…!!!!』
ドラケン「!?おま、大丈夫かよ…!」
ドラケンくんはすぐに私の手を掴めば水で冷やしてくれる。
軽く触れただけでそんなに火傷はしてないものの少しヒリヒリする。
『…ごめん……』
ドラケン「…いや、オレこそ悪ぃ」
手を冷やしながら私たちの間に何故か気まずい空気が流れる。
待って、何この空気。
別にお互い悪いことは言ってないのに何故か気まずいこの状況。なぜ。
てゆうか…抱きしめていいかって言われたくらいで動揺するって…私は中学生か?
いや、それは語弊がある。
ドラケンくんがそんなこと言ってくるとは思わなかったから心構えが出来てなかったってゆうのが正しい…
……ドラケンくんも甘えたい…のか?
そんなことを思いながら手を冷やす流れる水を見ながら色々考えてしまう。