第19章 甘えること
『ちょ、ドラケンくん…!?』
私は慌てて玄関を閉めれば、ドラケンくんの後を追って家の中へと入った。
すると、ドラケンくんはテーブル近くに腰を下ろして座った。
ドラケン「飯名前が作んのか?」
『あ…まぁ…。三ツ谷くんいつも家事とか忙しそうだから今日くらいは私がやって少しは楽させてあげようかな…なんて…』
ドラケン「…で、何作んの?」
『あ、オムライスとか簡単でいいかなって』
ドラケン「んじゃあオレの分もよろしくな」
えっ?ドラケンくんも三ツ谷くんの家に泊まって行く気ですか?
ドラケンくんと三ツ谷くんってそんなに仲良しなんだ…初めて知った。
私は他には何も返さずに3人分のオムライスを作ることにした。
オムライスを作りながら私はハッとしてドラケンくんに声をかける。
『そういえば…この前ドラケンくんに借りた上着洗濯したんだけど家に置きっぱなしなんだよね…今日会うの知ってれば持ってきたのに』
ドラケン「そんなのいつでもいいって。貸したのすら忘れてたわ」
…上着貸したの忘れることある?
ドラケンくんは衣装持ちさんなのかな…
『まぁ、ドラケンくんが気にしてないならいいけど…今度家に来てくれる?その時返すから!』
ドラケン「ん、分かった。今度行くわ、家」
そう言いながら携帯を見てるドラケンくん。
マイキーくんみたいに彼女と連絡でも取ってるのかな?なんて思いながら、そんな気にすることもなくオムライスを作り進める。
すると、背後から何故かシャッター音が聞こえて私は不審に思い直ぐに後ろを振り返った。