第19章 甘えること
えっ、こんな時間に訪問者?
…………誰だろ?
私は不思議に思いながらも、出た方がいいのか出ない方がいいのか迷った。
……三ツ谷くんお風呂入っちゃったし…家主がいない時は出ない方がいいんだろうけど、急用とかだったら代わりに要件を聞いた方がいいよね…?
私は玄関を見つつ、悩んだ結果出ることにした。
『…どちら様ですk………え?』
玄関を開ければ、そこには見慣れた相手が立っていた。
ドラケン「あ?なんでお前が…」
玄関先に居たのはドラケンくんだった。
お互い驚きつつ顔を見合せ暫くフリーズ状態になる。
『…………えっと、こんばんは…?』
ドラケン「…おう」
…何だこの気まずい空間は。
てゆうか、なんで気まずいんだよ…!
地味に気まずいこの空気やめて…!
『あ〜……三ツ谷くんなら今ちょうどお風呂に…』
ドラケン「………え?」
えっ?って何????
待って、何か誤解をされてる?
いい歳こいた大人が中学生に手を出してるとか思われてる?
やめて…違うんだよ…そうじゃないんだよ…!
誤解です!!完全に!!!
『その…今日はたまたま…あの』
ドラケン「今日なんかやけに静かだな。チビ達いねぇのか?」
『あ、今日はお友達の家にお泊まりしてて居ないみたいだよ…?』
ドラケン「ふーん……」
微妙な反応をしながら、私の足の先から頭の先まで視線を送るドラケンくん。
やめて…なんか謎の罪悪感湧くから…!
私は三ツ谷くんには手出してないから…!
『えっと…ドラケンくんは三ツ谷くんに何か用事だった?』
ドラケン「別に用ってほどのことでもねぇけど…今日バイクのメンテでもと思って三ツ谷誘ったけど予定あるって言ってたから」
……ん?予定あるって言ってたのに会いに来るってどうゆうことなんだい?え?
ドラケンくんどんだけ三ツ谷くんのこと好きなの?
ドラケン「予定ってお前とだったんだな。まぁいいや、邪魔すんぞー」
『え?ちょっと…!?』
ドラケンくんは私を押し退けて家の中に入ってきた。