第19章 甘えること
あれから暫く三ツ谷くんに吸われ続けた。
猫が猫パンチをかましたくなる気持ち分かるかもしれない…なんて思ってしまった。
三ツ谷くんとのんびり流れる時間を過ごし、普段は聞けないような東卍メンバーの話を聞いたり、楽しい時間を過ごした。
そんな楽しい時間もあっという間で、辺りもすっかり薄暗くなってしまった。
三ツ谷「あ、もうこんな時間か…メシ作っておくから風呂でも入ってこいよ」
『いいよ、今日は私が作るよ?たまには家事から離れることも大切だよ』
その言葉に三ツ谷くんは驚いたように目を見開いた。
三ツ谷「……お前料理出来んの?」
『………えっ?』
三ツ谷くんのまさかの言葉に私は瞬きの回数が増える。
私ってそんなに料理出来ないように見える?
意外と料理できるんだけど…まぁ、そんなに手のこった物は作れないけど…
『私だって料理くらいできるよ…!伊達に一人暮らししてないし…』
三ツ谷「コンビニ飯食ってそうなイメージ」
『どんなイメージ?やめて?』
三ツ谷「ははっ、悪ぃ悪ぃ。んじゃあ今日はお言葉に甘えて名前に任せるわ」
そう言って三ツ谷くんは私にエプロンを手渡せば、三ツ谷くんはそのままお風呂へと消えていった。
三ツ谷くんってあんな感じだったっけ?
……あれは心を許してくれて気が緩んだってことでいいのか?
まぁどちらにせよ…今日くらいは三ツ谷くんがのんびりできる時間を少しでも増やしてあげないと!
そう思い、私は得意料理のオムライスを作ろうと思い三ツ谷くんから受け取ったエプロンを身につければキッチンに立った。
すると、玄関の方からドアを叩く音が聞こえた。