第19章 甘えること
あれから一度自宅へと戻り、着替え等泊まるのに必要なものを持って来た。
そんなに多くはない手荷物を持ちながら三ツ谷くん家へと向かう。
…中学生のお家にお泊まりとかイケないことしてる気分だ……って、そもそももっとやばい事をしてしまった記憶が蘇ってしまう。
考えるのはやめよう。
そんなこんなで無事に三ツ谷くんの家の前まで来た。
玄関の戸を叩こうと手を上げれば、それと同時に玄関の戸がガラリと開いた。
三ツ谷くんの察知能力ハンパねぇ…なんて思っていれば、家の中から一人の男の子が出てきた。
……三ツ谷くんって弟居たっけ?
そう思いながら彼を見れば、バッチリ目が合ってしまった。
『あ…えっと…こんにちは』
?「………………」
一応目が合ったから挨拶をしたものの…男の子は私を見るなり、地蔵のように固まったまま動かなくなってしまった。
…えっ?私いるのまずかった…?
めちゃくちゃフリーズしてるけど…!?
『あ、あの〜………』
男の子の目の前で手を振ってもなんの反応もない。
何事なの!?
え、こんなに人ってフリーズすることある!?
人生で初めての経験が目の前で起きて私はどうしたらいいか分からなくなっていれば、家の中から三ツ谷くんが出てきた。