第18章 最低な出会い
『あ、ちょっとごめんね』
鳴る携帯を見れば三ツ谷くんから電話が来ていた。
なんだろう…と思いながら私はココちゃん達から少し離れた場所で電話に出た。
『もしもし?』
三ツ谷「あ、名前?」
『うん、どうした?』
三ツ谷「用事あるって言ってたんだけど、無くなったから今からでも来ていいぞ」
『そうなの?じゃあ今から遊びに行かせてもらうね』
私はそれだけを告げてすぐに電話を切った。
するとそれを見ていたココちゃんが真顔のまま口を開いた。
ココ「また変なオトコに引っかからねぇようにな」
『えっ…別に男ってわけじゃ……』
嫌味でも言ってるのかなと思うものの、顔が真顔なためガチで心配して言ってくれてるのかな…?なんて思いながらココちゃんを見ていれば、ココちゃんは手を差し出してきた。
『……………?』
なんで手を出してるんだろう…
お手手繋ぎたいのかな…はは、可愛いところあるじゃんココちゃんも。
そんなポジティブ思考爆発で、私はココちゃんが差し出している手に自分の手を置いてそのまま握った。
するとココちゃんは一瞬驚いたような表情を浮かべた後、不審そうにこちらを見てくる。
ココ「…なにやってんのお前」
『えっ?手繋ぎたいのかなって…』
ココ「バカなのか」
『いや、失礼だよ?』
ココ「金だよ。多少払っていけ、今ここで」
……いや、金かよ!!!
手繋ぎたいんだったら可愛いのに…金って…可愛さないんですけど。
多少って言っても…
そう思いながら私は鞄から財布を取り出せば、中身を確認する。
昨日の飲み会で会費払っちゃったからあんまり入ってないけど……とりあえず100円くらい払っとくか…
私はココちゃんの手を離して、財布から100円を取り出せばココちゃんの手のひらに置いた。