第18章 最低な出会い
ココ「人に奢るよりも返済の方が先だろ」
『……げ』
声のする方を振り向けば、私が会いたくない九井くんの姿があった。
隣にはめっかわ美人のイヌピーくんも居た。
ココ「"げ"ってなんだよ」
『いや、別に……心の声が漏れたってゆうか…?』
ココ「漏らすな。お前すぐに逃げそうだからとりあえず家教えとけ」
『…なんでそうなる?』
話の展開が早すぎて私ついていけない。
そもそも家教えたら絶対毎日借金取りばりに来るよね?
うわ…怖すぎる……
玄関破壊されたらどうしよう…まじであのアパート追い出される……
…そろそろ私もオートロック式のお家に引っ越すべきかな…
そんなことを考えながら黙り込んでいれば、いきなり九井くんからデコピンを食らわせられた。
『いっだ!何…!?』
ココ「人の話聞いてんの?」
『……イヌピーくんだけはいつでもお家に遊びに来ていいからね?何か好きな食べ物ある?いつでも用意して待ってるからね、ほんと』
私はイヌピーくんの手を両手で握れば軽く上下に振る。
すると少し驚いたような顔をするイヌピーくん。
あ、可愛いです。ありがとうございます…
ココ「イヌピーに気安く触るな」
『嫉妬深いのね…ココちゃん…』
ココ「その呼び方気持ち悪い」
『じゃあこれからココちゃんって呼ぶね』
ココ「嫌がらせだな完全に」
イヌピー「ココ、嬉しそうだな」
ココ「どこがだよ」
『楽しそうでなによりだねココちゃん』
ココ「いやなんでだよ」
何も中身が詰まってない会話をしながら数分の時間を過ごした。
するとタイミングが良く携帯が鳴った。