第18章 最低な出会い
三ツ谷「あれ、名前じゃん」
声をかけてきたのは三ツ谷くんだった。
癒し的な三ツ谷くん…タイミングが良すぎる…
会いたかったなんて内心考えるも、キモイとか思われたら嫌だから表には出さない。
『あ、三ツ谷くん…お買い物?』
三ツ谷「おう、ちょっとな。そうゆうお前は…仕事休み?」
『あ、うん…今日は休み。何か美味しいものでも食べようかなぁ…なんて思って街に出てきたんだけど、何食べようか迷ってて』
苦笑いを浮かべながらそんなことを伝えれば、三ツ谷くんは爽やかスマイルを浮かべた。
三ツ谷「そっか。オレも今日は妹達居ねぇからひとり飯」
『えっ、妹ちゃん達いないの?』
三ツ谷「おう。友達の家に泊まるんだとよ」
『そうなんだ。仲良しなお友達が居ていいね』
三ツ谷「だな。手が空くから助かってる。って、呼び止めて悪かったな…美味いもん食ってこい。じゃあオレ行くな」
そう言って帰ろうとする三ツ谷くんを見て何を思ったのか私は三ツ谷くんの服の袖を掴んで帰るのを阻止してしまった。
いきなり服の袖を掴まれ少し驚いた様子でこちらを見てくる三ツ谷くん。
えっ、私何してんの…?え?
『えっ…あ、ご、ごめん…』
私は我に返り少し俯き加減で、袖を掴んでいた手を下にストンと落とした。
三ツ谷「…そんな顔されたら帰れねぇだろ」
その言葉に私は顔を上げた。
私…そんなヤバい顔してる??
顔に出すとか子供みたい…本当やだ…自分。
『ご、ごめんね…ちょっと疲れてるみたい…』
三ツ谷「なんかあったの?話くらいなら聞くけど」
『ま、まぁ…色々と…でも大丈夫!三ツ谷くんも忙しいだろうし…』
三ツ谷「別に忙しくねぇけど。どうせ今日は帰ったって1人だし」
その言葉を聞いて、私は三ツ谷くんに手を合わせて悲願する。
『あの、ご飯奢るから少しだけ一緒に過ごしてください…!お願い!』
三ツ谷「…え、お、おう…別にいいけど…」
『い、いいの…!?』
三ツ谷「名前がいいならオレはかまわねぇけど…?」
『ありがとう、ほんっとにありがとう三ツ谷くん…天使だ………』
私はあまりの嬉しさに三ツ谷くんの手を両手で握れば上下に軽く振った。