第17章 男性への免疫
人生最大の失敗をしてしまったかもしれない…なんて思っていれば、何故か相手は私との距離を更に詰めてきた。
?「オレは九井一。アンタ名前は?」
『えっ…あ……苗字名前…』
ココ「ふーん…名前な」
そんなことを呟きながら私の顔をじっくり見てくるこの人。
見てこないでください…本当…
顔をまじまじと見られてなんだか気まずくなり目を逸らすも、いきなり相手が手を伸ばして来たため相手の顔の前に手を出しこれ以上近付かれないように防止する。
『ちょっ、それ以上近づかないで…!』
ココ「は?今更だろ」
『そうやって近付いてきてまた追加料金取る気でしょ…!てゆうか、私レンタル彼氏とか借りてないんだけど…そもそも10万って、払えるわけ……』
その言葉に相手は不思議そうな顔をしている。
ココ「レンタル彼氏?なんだそれ」
『………えっ、違うの…?』
ココ「違ぇよ」
『…ってことは、お金払わなくていいんだ…!良かったぁ……』
ココ「いや払えよ」
『いやいや、そんな10万も払えるわけ…』
その言葉と共に相手が起き上がったかと思えば、ベッドから出て何故か私の携帯を弄りだした。
『ちょっと…なにを?』
私も起き上がれば何をしているんだろうと不審な目で相手を見た。
すると相手は携帯を置き、脱ぎ捨ててあった服に着替え始めた。
ココ「オレの番号入れといたから、払える時に連絡してこい」
『あっ、やっぱり払わされるんだ…』
払わずに後で揉め事になるのも嫌だし…分割で払うしか…ないのか?
裁判とかかけられたら……
そんなことを考えればゾッとしてしまった。
ココ「それじゃ、オレは帰るから」
それだけを言い残して九井くんと言う男は部屋を出ていき帰ってしまった。
待って、あっさり過ぎない?ねぇ!
…………いや、てゆうか………ホテル代も私かよ!!!
部屋に取り残された私は大きなため息をついた。