第16章 会いたくない人
あれから鶴蝶くんも帰り、私は部屋に1人残された。
皆が飲んだグラスをキッチンに運べば綺麗に洗い拭いてから棚にしまう。
ふと時計に目をやれば、もう19時を回ろうとしている時間帯だった。
…そういえば、お風呂入り損ねてた。
多分マイキーくんもイザナくんも戻ってこないだろうし…お風呂入っちゃおうかな。
そう思い、私は脱衣所に行き上に着ていた服を脱いだ。
すると、玄関の方から何やら音が聞こえた。
『……あ、私鍵閉め忘れてた…』
鶴蝶くんを送り出した後、鍵を閉めるのを忘れていた私は玄関の方から音がしたことによりとてつもなくビビり散らかしている。
どうしよう…不審者だったら……
そんな不安を抱えながら、脱いだ服を胸の前で握りしめながらそっと脱衣所から顔を出して玄関の方を見た。
すると、そこにはイザナくんが立っていた。
『い、イザナくん!?』
私は知った顔を見て少し安心したが、帰ってくるとは思ってなかった人物の姿に私は驚いた。
すると、イザナくんは玄関の靴を見つつ口を開いた。
イザナ「アイツらは?」
『え?あ、さっき帰ったけど…』
イザナ「そ」
『…えと、マイキーくんは…?』
イザナ「あぁ、アイツなら帰った……て、そこで何してんの」
『へ?あ、いや…みんな帰ったからお風呂にでも入ろうかと…』
イザナ「俺帰るって言ってないけど」
『そ、そうだけど…そのまま帰っちゃったのかと…』
イザナ「何、寂しかった?」
『えっと……』
寂しかったかと聞かれ困惑していれば、イザナくんは私の目の前まで歩いてくればじっとこちらを見てくる。
『い、イザナくん?』
イザナ「オレも風呂入る」
その言葉に、この子また泊まる気なんだなとすぐに察した。