第16章 会いたくない人
すると、マイキーくんは私から離れ少し俯くとボソッと何かを呟いた。
マイキー「……ちょっとコンビニ行ってくる」
それだけを告げれば、マイキーくんは家を出ていってしまった。
……あれ、ガチギレした?
私がビッチだから?あ、いやビッチじゃないけど…!
これは追うべき…?わからん…年頃の男の子の扱いが本当に分からない…!
どうしようと立ち尽くしていれば、イザナくんが口を開いた。
イザナ「マイキーと風呂入ったとか本当?」
『え?あ、いや…背中流しただけってゆうか…』
イザナ「ふーん……」
何かを言いたげに頷くイザナくん。
なんか空気が重いんですけど…?
イザナ「オレもコンビニ行ってくる」
『え?ちょ、イザナくん…!?』
コンビニに行くと言ってイザナくんまで家を出ていってしまった。
なんなの……いったい……
めちゃくちゃ嵐なんだけど…いや、台風。
私は玄関の方を見て立ち尽くしてしまった。
- お風呂が沸きました -
タイミングがいいのか悪いのか、お風呂が沸いたチャイムが部屋に響き渡る。
すると、いきなり蘭ちゃんが立ち上がった。
蘭「お風呂沸いたみたいだから入ろっか」
『竜ちゃん、お兄ちゃんに誘われてるよ』
竜胆「………え、明らかにお前だろ、誘われてんの」
『何言ってんの竜ちゃん、アナタだよ、誘われてるのは』
蘭「いや、お前だよ」
『…そもそも他人の家の風呂に勝手に入ろうとすな…』
蘭「名前が一緒に入りたそうだったから」
『入りたくないです。そもそも蘭ちゃんのせいだよね?変なこと言ってるから…なんかめちゃくちゃピリピリしてるし…蘭ちゃんが私の事ビッチとか言うから皆ドン引きして帰っちゃったんだよ……』
蘭「たとえビッチだとしても、オレは名前の事は嫌わないよ。多分」
多分って…蘭ちゃんに好かれても……
私は大きなため息を吐いた。