第16章 会いたくない人
蘭「オレが居ながら名前って沢山男居るんだ?」
『…………ん?』
蘭ちゃんの言葉に私はフリーズした。
理解するのに数分かかるも、この子は何を言っているんだと思いながら冷やかな目を蘭ちゃんに向ける。
すると、マイキーくんは私の方を見ながら腰に手を回して自分の方に引き寄せてくる。
『…マイキーくん?どうしたの』
めちゃくちゃ距離近いんですけど…
この時空は何……居心地悪いんですけど…
マイキー「名前は"オレの"だもんね」
『…………えっ?』
オレのって何…オレのって…!
あれ、私彼氏いつの間にできてたんだっけ?
こんな若い彼氏いた?あれ、ボケた?
マイキー『お泊まりもしたし、一緒にご飯も食べたし、一緒に寝たこともあるし、一緒にお風呂も入ったことあるし』
イザナ「…風呂?」
マイキーの言葉に目の色が変わるイザナ。
鶴蝶と竜胆に関しては少し頬を赤くしている。
『マイキーくん?静かにしようか』
マイキー「事実じゃん」
『人前で言うことじゃないでしょ…!?』
小声でそんなことを言えば、その様子を見ていた蘭ちゃんが口を開いた。
蘭「うわぁ…中学生に手出してんの…」
『なっ、ち、違うよ!?出してな……』
出てないと言いきろうとするものの、千冬にした行為が頭を過り言葉を詰まらせてしまった。
やってんな、私。
蘭「オレにも手出しといて…まじでやべぇなぁ、お前」
『…は?…………………はぁ!?何言ってんの!?いつ?誰が…!?』
蘭「ビッチ♡」
『なっ……』
なんで私はいつもいつもビッチ扱いをされるんだろうか。
募る苛立ちを我慢していれば、隣にいるマイキーくんも何故かイライラしていて、どうしたマイキーくん…なんて思いながら顔を見た。