第16章 会いたくない人
『……………………げっ』
残りの二人を見れば、私が一番会いたくなかった人物の顔があった。
蘭「あれ、お前この間の…」
竜胆「なんでいんの?」
『いや、なんでいんのって…ここ私の家だし。てゆうかその言葉こっちのセリフなんですけど?なんでいるの?』
蘭「面白いペット見つけたって聞いたから見に来た♡」
竜胆「まぁ、オレは兄ちゃんが行くならと思って来た」
『……そうでしたか…あの、おかえり頂いてもいいですかね?すみませんね…』
私は二人の身体を押せば玄関から追い出そうとするものの、コイツら出ていく気がまるでない。
蘭「そんなに押しても無駄だって、な?」
いきなり蘭ちゃんに手を掴みあげられては、少し屈み気味で私と目線を合わせながら可愛らしい笑みを浮かべる。
…可愛い……顔だけ。
可愛らしい笑みについ見入ってしまえば、蘭ちゃんは手をパッと離してその好きに二人で部屋へと入って行ってしまった。
『あ、ちょ!勝手に…!』
玄関の鍵を閉めれば、私も慌てて二人の後を追って部屋までついて行く。
部屋に来ればソファーに足を組みながら座るイザナくんと、座布団の上に座っている二人が目に入った。
そんな中、部屋を舐めますように見てくる蘭ちゃん。
見んなっ…なんて思うものの口にしたらまた反感を買いそうだから静かに口を閉じた。
イザナ「今日はマイキー居ないんだな」
『まぁ、流石に毎日は居ないよ…マイキー来てた方が良かった?』
イザナ「別に。いない方がいいな…名前の事独り占めできるし」
『何言ってんの…もう』
独り占めとか…可愛すぎるな…
イザナくんも本当は寂しがりで甘えん坊さんだからなぁ…
そう思いながらイザナくんを見ていれば、蘭ちゃんが口を開いた。