第16章 会いたくない人
『あー、今日も疲れた…』
無事に家に帰ってくれば私は荷物を下ろした。
とりあえずお風呂に入ろうと思い、お風呂にお湯を溜める。
最近部屋の掃除もできてなかったし…お風呂にお湯が溜まるまで少しだけ部屋を綺麗にしようかな…と思い、散乱しているものを棚へと片付ける。
すると、いきなり家のインターフォンが部屋に鳴り響いた。
『…その時間に来る人っていったら…マイキーくんとかかな?』
私はマイキーくんが来たのかと思い、なんの躊躇いもなく玄関のドアを開けた。
『あれ、イザナくん』
玄関の前に立っていたのはイザナくんだった。
イザナ「オレが来てやったよ、ぽち犬」
『ぽち犬って…その言い方辞めてよ…私が変な性癖な人だと思われるじゃん』
イザナ「いいだろ別に。ほら、これやるから」
そう言ってイザナくんは私にコンビニの袋を手渡してくる。
『え、なにこれ?』
イザナ「コンビニスイーツ。飼い犬にもたまには褒美をやらないとな」
その言葉に私はデザートが気になり袋の中を覗く。
するとそこには苺が乗った可愛いタルトが一つ入っていた。
可愛い…!!!
えっ、イザナくんって天使だった?
疲れた身体に甘いものはもう嬉しすぎる……!
『…これ、貰っていいの?』
イザナ「いらねぇなら返せよ」
『いります…!嬉しい…ありがとうイザナくん!』
イザナ「………………」
そんなに喜ばれるとは思ってなかったイザナは名前の嬉しそうな反応に心掴まれフリーズしてしまう。
『今日の楽しみに食べるねっ』
イザナ「…うん」
目を細めたまま目を逸らすイザナくん。
相手の反応を不思議に思うも、ふとイザナくんの背後を見ればイケメンが一人立っていた。