第15章 思春期男子
『はぁ…』
あれから私は千冬に顔を洗ってきた方がいいなんて勧められて着替えてから洗面所を借りた。
私は洗面所で顔を洗えば、そのまま鏡を見る。
……私としたことが……年下に手を出してしまうとは……
それも中学生………
『訴えられませんように…!』
私は鏡の前で手を合わせてはそんな事を口にする。
…まぁ、今日の所は早く帰ろう…
千冬には後で何かお詫びの品を……
そんなことを考えながら借りたタオルで顔を拭く。
すると、足元に何かが擦り寄ってくるような感覚を覚えた。
『……ん?』
私は気になりすぐに足元に目をやった。
すると真っ黒の猫が私の足に擦り寄ってきていた。
『猫…?』
私は足元にいた黒猫を抱き上げて抱っこをする。
『キミ…千冬の猫ちゃん?』
「ニャー」
抱っこしても暴れることもなく大人しく私に抱かれている。
千冬猫飼ってたんだ…何も言ってなかったけど…って、それどころじゃないか…。
私は猫を抱いたまま千冬の部屋へ戻った。
〜 千冬の部屋 〜
『千冬、タオルありがとね』
部屋に戻ればテーブル付近に腰をかける。
すると、千冬はどこか気まずそうな顔をしながらこちらを向けば、黒猫を見て驚いた。
千冬「お、おう…って…ペケJ…お前なんで…?」
『千冬の猫ちゃん…だよね?顔洗ってたら足元にくっついてきたから連れてきちゃった』
千冬「まじか…名前は猫平気なのか?」
『うん、動物は好きだよ』
千冬「それなら良かった…たまに動物苦手な奴とかアレルギーな奴居るから心配した」
『私は全然平気。やっぱり千冬は優しい子だね』
千冬「いや、別に…」
『あ、この子名前は?』
千冬「あぁ、ソイツはペケJって言うんだ」
『へぇ…珍しい名前だね?…ペケJは千冬に似ていい子だね〜よしよし』
私はペケJを愛でながらペケJに向かって話しかける。
その姿をじーっと見てくる千冬の視線が気になった。