第15章 思春期男子
千冬「…皆には内緒で、少しだけ……な?」
有無を言わさずに、千冬はベッドに私を押し倒せばそのまま上に股がってこちらを見下ろしてくる。
『ち、ちち千冬…!?その、あの…落ち着こう?ね?』
千冬「少しだけだから…」
そう言ってズボンのベルトを外せばそのまま下に下ろしつつ、身体を倒して顔を近付けられる。
『千冬……、私…』
千冬「…可愛いっスね」
そう言ってさらに顔を近づけ、唇が触れてしまう距離までくればキスされると思い目をきゅっと閉じた。
だが、暫くしてもキスされることはなく私はゆっくりと目を開けた。
それと同時に千冬は私の上から退けばすぐ隣に寝転んだ。
『……ち、千冬…?』
千冬「やっぱり…無理」
『……へ?』
その言葉に、やっぱり私相手では興奮しなかったのだとすぐに解釈した。
…どんだけ魅力ないの、私……ってなんでショック受けてんの…自分意味わかんない……。
中学生に相手すらされない女に一生彼氏なんて出来ないよな…なんて考えていれば何だか切なくて悲しい気持ちになり頭が真っ白になってしまった。
すると千冬がすぐに口を開いた。
千冬「…名前の事は大事にしたいから。まだこうゆうことは無理ってこと」
『…えっ?』
千冬「なんか…無理やりとか嫌だし。名前とはこれからもずっと一緒にいたいし、仲良くしてたいから…今はやめとく」
その言葉に私はウルっと来てしまった。
中学生から出る言葉じゃないよね…
千冬…やっぱりめちゃくちゃいい子じゃん…
『千冬〜……大好き…ほんっとにいい子…』
私は横に寝っ転がる千冬をぎゅーっと抱きしめた。
千冬「あ、いや…今はちょっと…!」
『…え、ごめん。大丈夫?』
千冬「……無理…、ちょっとトイレ……」
千冬はもう下半身が限界なのか私を離せばトイレに行くとベッドから降りようとする。
私はついその手を掴んで妨害した。