第14章 生憎の雨
何を言ってるのかなこの子は…
一虎ってなんか掴めないなぁ……
そう思っていれば、早くと言わんばかりに食べさせるのを待っている一虎。
年下だからやっぱり可愛いんだよなぁ…なんて思えば、つい甘やかしてしまう。
『はぁ…一回だけね』
そう言って私は一虎にペヤングを一口食べさせる。
すると嬉しそうにもぐもぐと食べている一虎。
……赤ちゃん???
そんな事をしてる間に、外の雨も止んでいる様子だった。
『あ、そういえば雨止んだね』
場地「お、マジだ。服は……あー、まだ濡れてるワ」
場地くんは干してある私の服を触れば乾いていないことを確認した。
『なかなか乾かないね…場地くんには申し訳ないんだけど、今日この服借りていってもいいかな?暗くなる前に千冬の所に寄ろうかなって思って』
場地「おう、いいぜ。もう日も暮れそうだしそろそろ出た方がいいかもな」
一虎「え、じゃあオレも」
『一虎はお家に帰りなさい。あとペヤング残さず食べなね』
私は一虎にペヤングを食べるように伝えれば、干してある着替えを手荷物に入れて帰る支度をする。
『場地くん今日はありがとうね?』
場地「おう、気にすんな。玄関まで送る」
一虎を部屋に残して、場地くんは私を玄関まで送ってくれた。
優しい子だ……ほんとにいい子だ……
『場地くんありがとう。雨に打たれたから風邪引かないようにね?』
場地「それはお前もな。……オレもまた家行っていいか?」
『あ、うん。場地くんならいつでも大歓迎だよ?また遊びに来てね』
その言葉に場地くんは嬉しそうに笑みを零せば、軽く手を振り私のことを見送ってくれた。