第14章 生憎の雨
……えっ、この子は一体何をしてるのかな…?
一虎の行動に私は瞬きの回数が自然と増える。
いきなり過ぎて思考が追いつかないんですけど…?
『あの、何してるの…?』
一虎「甘えてる」
『………えっ、いきなり???』
気分屋なのかなこの子は。
まぁ、中学生じゃ甘えたい年頃なのかな…いや、でも相手が私って…年上だから甘えやすいとかあるのかな…?
そんな事を考えながら一虎を見て、自然と頭を撫でてしまう。
いや、これどうゆう状況なの?
そんなことを思いながら一虎の頭を優しく撫でていれば、お腹に回している手を服の中に入れて背中を撫でてくる一虎。
腰から背中を撫でる手がなんだかくすぐったくて一虎の腕を掴み拒む。
『ちょ、どさくさに紛れてなにしてんの…っ』
一虎「えっ、甘えてるだけだけど?」
『そんな事する甘え方見たことないけど…?』
一虎「そんなの人それぞれだろ?」
そう言って一虎は私の背中を直に撫で、その手を腰に移動したかと思えば今度は脇腹付近を撫でられその手がくすぐったくて私は身を捩り、一虎の手を掴む。
『ちょっ…やめっ』
一虎「…感じた?」
『は…!?違っ…』
くすぐったいだけなのに感じたのかと聞いてくる一虎に私は慌てて否定を入れる。
感じたと思われたことに何だか恥ずかしくなり、自然と顔が赤くなる。
そんな私の顔を見ればニヤニヤしながら顔を近付けて至近距離で顔を見てくる一虎。
私はすぐに顔を逸らした。
一虎「やっぱりビッチじゃん」
『だから違うって…!一虎がくすぐったいことするから…!』
一虎「名前ってオレのこと呼び捨てで呼んでくれてんだ?最初くん付だったのに」
『……あ』
一虎に呼び捨てを指摘されれば私はハッとした。
無意識につい呼び捨てしてた…やばい…
内心そんな事を思っていれば一虎は私の手を握ってきたため、今度はなんだよ…なんて思いながら一虎の顔を見ればいきなり唇にキスを落とされた。