第14章 生憎の雨
?「オレは鈴木マコト!武道のダチだからオレともダチになってください、マジで」
『あ、是非…?』
山岸「あっちに居んのが、あっくんとタクヤ!オレたち溝中五人衆って呼ばれてんだよねー」
あっくん「それお前が言ってるだけだろ」
タクヤ「確かに」
山岸「いや!どっかでは呼ばれてるって!」
朝からめちゃくちゃ元気だなぁ…若さかな…
この元気なノリに着いていけずにぼーっとしてしまえば、武道くんが口を開いた。
武道「お前らっ…名前さんに用があんのは俺なんだけど…!」
マコト「あ、悪ぃ悪ぃ!」
山岸「武道ファイト!」
武道くんの言葉に少しニヤつきながらも再び武道くんの後ろへ下がる2人。
するとわ武道くんは私の目の前まで来てポケットをガサゴソ漁り出した。
………なんだろう?と思いながら武道くんの行動を見ていれば、ポケットから薄いピンクのハンカチを取り出した。
そのハンカチを目にすれば私は首を傾げた。
あれ…あのハンカチって…どこかで見たことあるような…
って、私のハンカチじゃない???
『武道くん、それって…』
武道「昨日、集会の後トイレ寄ったらトイレ付近に落ちてたんで、名前さんのかなぁ…と思って」
『えっ、それでわざわざ届けに?』
武道「まぁ…一応」
武道くんはハンカチを私に差し出しながら頬を指でかいた。
あ、可愛い…律儀で優しくて可愛くてほんとに天使のようだね武道くん……!
私は可愛さに耐えきれずに、ハンカチを受け取ればそのまま武道くんの頭をぽんぽんと撫でた。
『武道くん届けてくれてありがとう。もう大好き』
武道「…えっ、ええぇぇえ!?」
マコト「アイツ後でボコろうぜ」
山岸「賛成。なんでいっつも武道ばっかり」
そんな中、武道くんをぽんぽん撫でていればいきなり肩に重みがかかった。