第14章 生憎の雨
最近ヤンキーばっかりと縁があって、つい気になり中学生達に目を向けてしまう。
今から学校なのかな…なんて思いながらどんどん中学生達との距離が近くなれば一人見なれた人物が目に映った。
あの金髪は…………武道くん?
……声掛けて人違いだったらどうしよう…
そう思えば、私は声を掛けるのを一旦やめて中学生達の横を素通りしようとすれば武道くんらしき声で呼び止められた。
武道「あ、あああの…!!!!」
その声に、やっぱり人違いじゃなかったと思い私は立ち止まり振り返った。
『……あっ、えっと…武道くん?』
武道「あ、は、はい!覚えててくれたんスね…」
『そりゃあ…昨日の集会にもいたし、覚えてるよ』
忘れられてると思ったのか、覚えていることを伝えれば嬉しそうに照れ笑いをする武道くん。
可愛い…癒しが欲しいって思ってたら可愛い可愛い武道くんに会えた…はぁ、癒し……やっぱり日頃の行いかな〜…なんて。
昨日が災難すぎだから今日くらいいい事起きてくれないとね。
可愛い武道くんを見ていれば、武道くんよりも一歩後ろに立っている4人の中学生達がこちらをガン見している視線を感じた。
……え、…めちゃくちゃガン飛ばされてる?
なんか最近ガン飛ばされること多くない?
でも武道くんと一緒にいるってことはお友達だよね…?
そんな事を思いながら4人の様子を伺っていれば、4人中2人が武道くんの近くに来れば何やらニヤニヤしつつ喋りだした。
?「武道、もしかしてカノジョかぁ?」
武道「はぁ…!?ち、ちげぇよ!」
オールバックの男の子が私の事を舐め回すような目線で見ながら武道くんを茶化している。
あぁ…なんかすっごい中学生っぽい……なんて思いながら様子を伺っていれば今度はちょんまげしてる男の子が私の目の前まで来た。
?「オレ山岸って言います!お見知りおきを」
『えっ、あ…はい…よろしくね?』
何故かキリッと決めているちょんまげくっ…じゃなかった、山岸くん。
その様子にズルいと言わんばかりにオールバックの男の子もこちらに近寄ってきた。