第13章 マスクの秘密
『えっ…春千夜ちゃん…?』
金か?金が欲しいのか…!?
自分の前に来た春千夜ちゃんを見ながらそんなことを思っていれば、そのままグッと顔を近づけてくる春千夜ちゃん。
今にも鼻先同士がぶつかるのではないか…とゆう距離感でこちらをじっと見つめてくる。
こ、これはガン飛ばされている…?
それにしても近すぎない…!?
『あ、あの…近すぎ…』
三途「顔、赤いですよ?」
『べ、別に赤くなんか…』
私は距離の近さに耐えかねて自ら後ろに下がり、春千夜ちゃんと少し距離をとり、なんだか恥ずかしい気持ちになれば顔を逸らした。
中学生に遊ばれてる私…ダサすぎか……!
そんな中再び春千夜ちゃんがこちらに近寄ってくるのがわかる。
距離感バグりすぎなんですけど……春千夜ちゃん……
とりあえず春千夜ちゃんの方は見ずに顔を逸らしたままでいれば、春千夜ちゃんは私の名前を呼んだ。
三途「名前さん」
その少し寂しそうな声で呼ばれれば、つい春千夜ちゃんの方を向いてしまう。
その瞬間、いきなり春千夜ちゃんが唇を寄せてきた………が、私は間一髪のところで春千夜ちゃんの口元に自分の手を押し付けてはなんとか阻止した。
『な、なななんなの…!?そうゆうこと、軽くしちゃ…いけないんだ…ょ………』
キスされそうになったことに対して動揺してしまうものの、こうゆうことは軽くしちゃいけないのだと言おうと思ったが、先日のイザナくんが頭に浮かび私も手出てたわ…なんて思えばどんどんか細い声になってしまった。
三途「………今日の続きでもしようかと」
私の手を退けつつ、今日の続きなんて言われればトイレでマスク越しにキスされたことを思い出せばカァっと顔が熱くなるのがわかる。
『な、何言ってるの…続きなんてないでしょ…!ほら、もう日も暮れるし…春千夜ちゃんも早く帰りな…!ね!』
私は慣れないことに戸惑ってしまい、とりあえずこの場から春千夜ちゃんを帰らせようと立ち上がれば、春千夜ちゃんも諦めたのかマスクを付け直せば立ち上がり玄関まで行ってしまった。
……怒ってる…?
そう思いながらも春千夜ちゃんを見送るため、私も玄関へと向かった。