第13章 マスクの秘密
三途「引きました?」
『えっ…?』
三途「口の傷、ずっと見てるので」
『あ、ご、ごめん……つい…あ、でも別に引いたとかじゃないよ!?ただ…マスク外した顔見た事なかったからつい見ちゃったってゆうか…』
三途『…まぁ、マスクしてるのは…見た目で損しないようにとか何とかで、隊長に貰っただけなんで、オレ自身傷を隠したくてマスクしてる訳じゃないんで気にしなくていいけど』
私が傷を見て引いたのかと思ったのか、少し目線を下に向けながら話す三途くん。
『…傷あっても可愛いから、本当なんなのって思う』
三途「……は?」
『傷隠しってゆうより、美人隠しだよねそれ。羨ましすぎて無理…名前春千夜だっけ?もう名前からして可愛い…私も春千夜ちゃんみたいな女の子になりたかった』
三途「女じゃねぇよ!!!つか、春千夜ちゃんってなんだ!気色悪ぃ…」
『春千夜ちゃんもっと顔見せて』
何気ない会話で私の恐怖心も薄くなる。
傷はあるものの綺麗な顔がもっと見たくて少しだけ近寄ってみるものの、なんだコイツと言わんばかりに春千夜ちゃんは私から距離をとる。
三途「近づくんじゃねぇ…!」
『春千夜ちゃんは傷があっても可愛いし綺麗だし、私は引いたりしないよってゆうのを身体で表してます』
三途「そうゆうのいらねぇからあっち行け…!」
『本性出すぎて猫かぶる意味…』
そんな私の言葉に、春千夜ちゃんはハッとして少し咳払いをすればすぐに猫被りモードに入った。
三途「や、やめて下さいよ…見ても何も楽しくないですから」
『ごめんって、可愛いからつい』
私は少し笑いながら軽く謝れば、自分の座ってた位置に戻る。
すると、春千夜ちゃんは何故か物足りなそうな表情を浮かべている。
…………え????
私が困惑しつつ春千夜ちゃんを見ていれば、春千夜は何故かこちらに寄ってきた。
三途「……いいですよ、見て。その代わり、代償は払ってもらいますけど」
そう言って春千夜ちゃんはマスクを外しながら私の目の前まで来た。